こんにちは、manyanです。
北関東を中心に展開する巨大スーパー・ベイシア。群馬や埼玉では“地元の顔”として知られ、駐車場付きの広大な店舗で多くの家族連れが買い物を楽しんでいます。
しかし、あれだけの存在感を持ちながら、東京と神奈川にベイシアの店舗はわずか1店ずつしかないという事実をご存じでしょうか?」
なぜ人口が多く購買力も高い首都圏の二大都市でベイシアはほとんど見かけないのでしょうか?今回【カンブリア宮殿】をご覧になった皆さんも「どうしてうちの近所にはベイシアがないの?」と疑問に思った方がいるかもしれません。
そこで今回はベイシアの出店戦略を深掘りし、東京・神奈川で店舗が少ない理由を多角的に考察します。さらに、競合スーパーとの比較や、カンブリア宮殿で紹介された経営哲学を踏まえながら、今後の展望についても見ていきましょう。
記事を最後まで読むことで、
- ベイシアが大都市に進出しにくい背景
- イオンやオーケーなどとの違い
- 今後、東京・神奈川で増える可能性はあるのか
を理解できるはずです。では早速、その理由を探っていきましょう。
巨大スーパー「ベイシア」が東京と神奈川に少ない理由とは?
ベイシアの発祥地・群馬県と関東圏での展開状況
ベイシアは群馬県前橋市で誕生しました。母体は「いせや」という衣料品店で、そこから総合スーパーへと発展。現在は関東を中心に約140店舗を展開しています。
群馬・埼玉・栃木などの北関東では強い存在感を誇り、地域密着型スーパーの代表格として知られています。
しかし、東京・神奈川となると店舗数は激減。東京には青梅店、神奈川には三浦店と、ごくわずかです。これは偶然ではなく、意図的な戦略によるものです。
東京・神奈川に1店舗しかない出店数の現実
なぜ人口密度が高く、商圏も広い首都圏南部で出店を抑えているのでしょうか?
理由の一つは「店舗の立地条件」です。ベイシアは基本的に「大型店舗+広い駐車場」を前提としたスタイルを取っています。しかし、地価が高く土地が限られる東京・神奈川で、その条件を満たす場所を確保するのは困難です。
理に適うベイシアの経営哲学
もう少し突っ込んで分析してみましょう。
以下は2012年当時の日経新聞記事の一部です。
ベイシアは18年までに東京で計5店を出す方針。八王子市や町田市のほか、23区内でも練馬区内などで、1万平方メートル以上の用地を探す。売り場面積が6000平方メートルを超える大型店だけでなく、2500平方メートル前後で食品中心の中型店も出店する。神奈川県でも出店用地を探す方針だ。
引用:日本経済新聞
この記事から想定するに、ベイシアは東京・神奈川に出店するにあたり、超巨大スーパーを置き、集客を最大化することを考えていたのでしょう。
群馬や千葉、埼玉のベイシアの通常の店舗は5000坪程度であり、その2倍の規模の店舗で集客しないと、地価の高い東京・神奈川では利益が出せないのでしょうね・・・しかし、結果的に東京神奈川の居住地にそんな広大な土地がには無かったのでしょう。
(参考)
ベイシアの通常の店舗面積 : 5000坪
東京ドームの敷地面積 :15000坪
ベイシアが東京神奈川に求める敷地面積 :10000坪
また経営陣は「地方で圧倒的な存在感を確立し、無駄な価格競争に巻き込まれない」ことも重視。東京・神奈川には既に強豪がひしめいているという現状もあります。
以上から、東京・神奈川に出店が少ないのは、むしろ堅実な経営判断と言えるのかもしれませんね。
ベイシアの出店戦略とドミナント方式の特徴
地域密着型スーパーとしての戦略
ベイシアの強みは、ドミナント戦略にあります。
これは、特定のエリアに集中して出店し、物流や宣伝効率を高める手法です。群馬・埼玉などでは数十店舗を展開し、地域の買い物インフラとして機能しています。
一方、東京・神奈川で数店舗だけ出しても、物流コストがかかり効率が悪くなるため、戦略的に避けているのです。
大型店舗と広い駐車場が必要な理由
ベイシアは「車で行く大型スーパー」というスタイルを貫いています。1回の買い物でまとめ買いする家族層がターゲットであり、広い駐車場を完備するのが基本。
しかし、東京や神奈川の都市部では駐車場付きの広大な土地を確保するのが難しい。この点が、出店を阻む大きな要因になっています。
商圏人口と物流拠点からみる効率的経営
ベイシアは「商圏人口30万人規模」のエリアを目安にしています。
地方都市ではこの条件を満たしやすいですが、東京では競合が密集しすぎており、効率的な商圏形成が難しいのです。加えて、物流拠点から遠い都市部への出店はコスト増にもつながります。
なぜ東京・神奈川では出店が難しいのか?
地価・賃料の高さと大型店舗の制約
首都圏南部は土地代が全国トップクラスです。
繰り返しになりますが、ベイシアの大型店舗スタイルを維持するには、数千坪単位の敷地が必要。しかし、その規模の土地を東京・神奈川で確保すると、採算が合わなくなります。
競合スーパー(イオン・イトーヨーカドー・オーケー)との違い
東京・神奈川は既にイオン、イトーヨーカドー、オーケー、西友、ロビアなどの大手がシェアを握っています。
特にオーケーは都市型店舗で低価格を武器に支持を集めています。ベイシアが新規参入しても、差別化は容易ではありません。
都市型スーパーとの住み分け戦略
ベイシアが狙うのは「まとめ買い需要」。
一方で、東京・神奈川の都市型スーパーは「日常的に少量を買うニーズ」に応えています。この購買スタイルの違いも、ベイシアの展開を難しくしているのです。
ベイシアと他の大手スーパーを比較してみた
イオン・ヨーカドーとの店舗数と戦略の差
イオンやイトーヨーカドーは全国規模で展開しており、都市型モールやショッピングセンターを積極的に開発してきました。
対してベイシアは、エリア限定の集中出店で効率化を追求。そのため、首都圏南部では存在感が薄いのです。
オーケー・西友との価格競争とターゲット層の違い
オーケーは「高品質・Everyday Low Price」で都市部に特化。
西友はウォルマート傘下だった経験を活かし、デジタル戦略に強みがあります。ベイシアは「地方での大型まとめ買い」に特化しており、ターゲット層がそもそも異なるのです。[
ベイシアの今後の展望と東京・神奈川での可能性
カンブリア宮殿で語られた成長ビジョン
番組内では「地方に根ざし、着実に成長する姿勢」が強調されました。無理な拡大は避け、利益率を重視する方針が今後も続くとみられます。
都市型小型店舗や新業態の展開はあるのか?
一方で、消費者のライフスタイルが変化する中で、小型フォーマットや都市型店舗を検討する余地はあります。
実際、業界全体でネットスーパーや都市型ミニスーパーが増加傾向にあり、ベイシアもその波に乗る可能性は否定できません。
消費者にとってのメリットと期待
もしベイシアが東京や神奈川で増えれば、
- 「地方価格」の安さで都市住民が恩恵を受ける
- まとめ買い派にとって選択肢が広がる
- 大手競合に価格圧力をかけ、消費者全体が得をする
といったメリットが期待できます。
まとめ
今回はベイシアの出店戦略を深掘りし、東京・神奈川で店舗が少ない理由を多角的に考察してきましたが、いかがでしたか?
ベイシアが東京・神奈川にほとんど出店していないのは、
- 大型店舗を前提とする出店スタイル
- 地価の高さと土地確保の難しさ
- 競合の激しい都市部での効率性の低さ
といった理由によるものでした。これは単なる消極策ではなく、地域密着型を徹底する戦略的選択なのです。
今後、都市型業態やネットスーパーの展開が進めば、東京・神奈川でもベイシアを見かける日が来るかもしれません。
スーパー業界の競争は激化していますが、消費者にとっては選択肢が増えることが最大のメリット。これからもベイシアの動向に注目していきましょう!
今回も最後までご覧くださり、ありがとうございました。